A03:動的多細胞コミュニティの数理社会解析

加藤 晋 / Susumu Cato

東京大学 社会科学研究所 /
Institute of Social Science, University of Tokyo

教授 / Associate Professor

Research map: https://researchmap.jp/susumucato


研究分担者:
呂 沢宇( 東北大学 文学研究科・准教授)
図斎 大(関西学院大学 経済学部・教授)
澤 亮治(筑波大学 システム情報系・教授)
五十嵐 彰(大阪大学 大阪大学 人間科学部・准教授)


研究内容

社会のなかには、さまざまな社会集団が存在し、コミュニティを形成しています。そして、コミュニティ内部で、集団はヒエラルキーに基づいてトップダウン型で意思決定することもあれば、民主的に意思決定することもあります。こうした集団の決定には、個々人の慣習や、人びとの「つながり」なども深く関わっており、コミュニティのダイナミズムの基本要素としての、エージェントの「つながり」は、社会科学分野で広く注目を集めてきました。
骨のイメージングで捉えられるところの、破骨細胞と骨芽細胞の動態は、まさに「つながり」に制約を受けながら、一定の自己目的を持つ社会的エージェントのそれです。こうした細胞の動きを普遍的に理解するために、実社会におけるコミュニティの役割を実証的に検討しながら、社会選択理論と進化ゲームの2つの社会数理分析手法を発展させつつ、研究を遂行していきます。

参考文献

  1. Bossert, W., Cato, S., & Kamaga, K. (2022). Thresholds, critical levels, and generalized sufficientarian principles. Economic Theory, 1-41.
  2. Cato, S., Rémila, E., & Solal, P. (2021). Infinite-population approval voting: A proposal. Synthese, 199(3), 10181-10209.
  3. Bossert, W., & Cato, S. (2020). Acyclicity, anonymity, and prefilters. Journal of Mathematical Economics, 87, 134-141.
  4. Cato, S. (2017). Unanimity, anonymity, and infinite population. Journal of Mathematical Economics, 71, 28-35.
  5. Cato, S., & Ishihara, A. (2017). Transparency and performance evaluation in sequential agency. The Journal of Law, Economics, and Organization, 33(3), 475-506.
  6. Cato, S. (2016). Rationality and Operators (pp. 35-68). Springer
  7. Matsumura, T., Matsushima, N., & Cato, S. (2013). Competitiveness and R&D competition revisited. Economic modelling, 31, 541-547.
  8. Cato, S. (2012). Social choice without the Pareto principle: a comprehensive analysis. Social Choice and Welfare, 39(4), 869-889.